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交通事故 特集(高次脳機能障害)

高次脳機能障害の「発見」

脳脊髄液減少症と同様に、高次脳機能障害もまた、近時「発見」された傷病です。
以前であれば傷病名として確立されておらず、「事故後、あの人、何だか性格が変わったね」と言われ、原因不明のまま、救済の埒外に置かれていました。

「民事交通事故訴訟損害賠償算定基準」(私達弁護士は「赤本」「赤い本」と呼んでいて、裁判基準のほか、論文集が掲載されています)2003年版によれば、以下の記載が認められます。

「平成13年1月から、自動車保険料率算定会内に「脳外傷による高次脳機能障害審査会」が設置され、脳神経外科医等の専門医による「高次脳機能障害」被害者救済のための審査が開始され、これに伴い、同年4月から、財団法人日弁連交通事故相談センターでも、高次脳機能障害被害者の発見と早期審査のため、東京本部・札幌支部・大阪支部・福岡支部の4カ所に、「高次脳機能障害」相談窓口を設置するに至った。」

自動車保険料率算定会とは、現在の損害保険料率算出機構で、後遺障害等級を認定する自賠責の機関です。
このように、高次脳機能障害は新しい概念なので、医師による見落とし、弁護士による見落としによって、いまだに救済されないケースがあります。

高次脳機能障害の方々

高次脳機能障害という言葉からどのような印象を持つでしょうか。

脳の障害だから、たとえば、痴呆症のように物忘れが酷くなるとか、あるいは、IQが低下するとかのイメージかも知れません。
ただ、そのような方もいらっしゃいますが、脳は様々な器官を司る最も重要な器官ですので、現象は様々に現れます。

直接お会いしたことのある高次脳機能障害が認定された方々は以下の特徴がありました(それぞれ別の方です)。

  1. 活発な子どもだったのに,事故後,元気がなくなくなった。
  2. 場にそぐわない場面で,突然泣き出した。
  3. 臭いを感じない、ものが二重に見える
  4. 半側空間無視(左半分が見えるのに脳が認識しない(本人は全部見えていると感じている))

最後に

等級の高い明白な高次脳機能障害の方は、比較的容易に等級が認定され、救済対象となるのですが、7級や9級程度の場合、比較的見過ごされがちです。理解のある医師を探し、経験のある弁護士に相談されることをお勧めします。